『ピアノとヴァイオリンのための2つのソナタ 』
ピアニスト臼井秀馬さんとともにチャリティーコンサートを開催いたしました。
コンサート収益の一部を、大阪・TSURUMIこどもホスピスさんに寄付することを趣旨とした演奏会です。
大阪府医師会フィルハーモニーさんとのシベリウスのヴァイオリン協奏曲の共演の際に
募金活動、収益の一部の寄付を行なっていたことでご縁が始まりました。
TSURUMIこどもホスピスは、生命を脅かす病気の子どもとその家族に、家庭的な環境を与えて、いつも支えが得られる場所と人であることをミッションにされています。
日本で初めてのコミュニティ型こどもホスピスで、皆様の寄付によって運営されているそうです。
コンサートの前に、施設を見学させていただき、少しの時間利用者の皆様のために演奏させていただきました。
広く、明るく、のびのびと過ごせることが想像できる、素敵な空間でした。
利用者のかたのためにスタッフの皆様のこだわりと愛情が詰まっていて感銘を受けました。
さて、演奏会では
猛暑の時期であるにもかかわらずご来場くださる皆様のためにと選曲を考えました。
摂津響ザールは森の中にあって、涼しげで、木々から差し込む日光ならちょうどいいと思える場所にあります。
そんな場所で、心地よい陽の当たるような曲2曲をとテーマに選曲しました。
イザイの結婚祝いのために書かれたフランクのソナタ、
ブラームスのソナタ第1番『雨の歌』です。
また、どちらも、「ヴァイオリンソナタ」ではなく、「”ピアノとヴァイオリンのための”ソナタ」であって、ピアノとバイオリンがある程度対等であることを意識した選曲です。
年上の臼井さんですが、懐の広さと優しさで対等に音楽作りをしてくださいました。
◉フランク
フランクはドイツ系の両親のもとに生まれフランスで活躍した作曲家です。
ブラームスを手放しで絶賛したと伝わっています。
フランスで活躍したヴァイオリニストのイザイの結婚祝いに作曲されたソナタです。
結婚のいろんな場面を語ってるようで、穏やかな時だけでなく波瀾万丈・荒波を
想像させる場面もありつつ...祝福と慈愛に満ちているように感じました。
◉ブラームス
ブラームス作曲の歌曲『雨の歌(Regenlied, Op. 59, No. 3)』に由来しています。
ヴァイオリン・ピアノのソナタの3楽章の出だしはまさに同じ音型をしています。
ブラームス『雨の歌』は、どんな雨か...
雲で空が全てが隠れているわけではない、陽が当たりつつの雨でしょうか。
夏のうだるような暑さと対比して、つめたくて新鮮な雨が
葉を濡らして露を生む、穀物が育つ、そんな恵みの雨でしょうか。
お客様と共に温かい演奏会の時間を作ることができました。
微力ではありますが、TSURUMIこどもホスピスさんが、今後もご家族の方々の居心地の良い場でありますよう応援続けさせて頂きます。
【陽光のチャリティーコンサート】
ピアノとヴァイオリンのための2つのソナタ
2023年7月29日(土) 14:00開演 (13:30 開場)
摂津響Saal
■プログラム
フランク作曲
『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調』(1886年)
ブラームス作曲
『ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番 〈雨の歌〉作品78ト長調』(1879年)
アンコール
ドビュッシー作曲
『亜麻色の髪の乙女』